これまでの便秘治療は、水分を吸着し便を柔らかくする浸透圧性下剤と、腸を刺激して排便を促す刺激性下剤を組み合わせて、それでも排便困難な場合は、浣腸や摘便というのが一般的だった。
最近の便秘治療では、刺激性下剤は「弱い推奨」に分類され、上皮機能変容薬が「強い推奨」とされている。
上皮機能変容薬
上皮機能変容薬は、腹痛、便秘、下痢などの排便異常を慢性的に呈する場合に使う事が多い。
この上皮機能変容薬には、便を柔らかくして腸の輸送能力を促進するアミティーザと、便秘型過敏性腸症候群治療薬のリンゼスがある。
アミティーザは妊婦には使用できず、若い女性でも吐き気の副作用があるので注意が必要。
リンゼスは痛み刺激が抑制されるのが特徴で、腹痛を訴える便秘に効果がある。
リンゼスは1錠だと効果が弱いが2錠使うと効きすぎてしまう人が多いので注意する。
また、食前よりも食後の投与の方が下痢の発現率が高いため、食前の服用を促すなど、症状により調節する。
種類 | 薬・説明 | 推奨度 | エビデンス |
---|---|---|---|
プロバイオティクス | 乳酸菌 | 2 | B |
膨張性下剤 | バルコーゼ ポリフル・コロネル | 2 | C |
浸透圧下剤 | マグネシウム・モニラック D-ソルビトール・ベンコール | 1 | A |
刺激性下剤 | プルゼニド・アローゼン・ラキソベロン | 2 | B |
上皮機能変容薬 | アミティーザ・リンゼス | 1 | A |