糖尿病と聞くと甘いもの好きな人がなる病気。
味気ない食事しかできないというイメージを持っている方も少なくないのではないでしょうか。
確かに、甘い物を食べ過ぎてなる方もいます。
しかし、糖尿病の原因はそれだけではありません。
こうした誤った病気への理解をこの機会に正しましょう。
血糖値とインスリン
糖尿病は生活習慣病の1つで、予備軍も含めると日本に2,000万人もいるとされています。
人が食事をすると血液中に含まれるブドウ糖の値「血糖値」が上がります。
ここで、健康な人であれば食後1~2時間で次第に血糖値が下がってきます。
しかし、糖尿病の場合、糖を取り込み、体内の必要な場所へ届ける「インスリン」が上手く機能せず、血液中に糖があふれたままになります。
こうなると「血糖値が高い」状態が続き、血管や身体のあちこちに影響を及ぼします。
この血糖値が高いままの状態が続く病気が糖尿病です。
糖尿病とインスリン
食べ物を食べると胃で消化され、栄養分が小腸へと運ばれます。
小腸では、身体に必要な栄養素や糖分が吸収されます。
ここで吸収された糖分は血液の中を流れ、肝臓や筋肉、脂肪などへ運ばれ蓄えられます。
この過程で、食後30分~1時間程度すると血糖値が上がり、正常な場合は自然とインスリンが働いて血糖値を下げてくれます。
しかし、この時にインスリンが出なかったり、出る量が少ない方がいます。
インスリンが働かないと血糖値を十分に下げることが出来ません。
この高い状態のまま、また次の食事が入ってくるので、ずっと血糖値が高い状態が続きます。
この状態が糖尿病の状態です。
糖尿病の分類
ひとことに糖尿病と言っても4つのタイプに分けることができます。
Ⅰ型糖尿病
Ⅰ型糖尿病の特徴として幼少期や成人前など若い頃に発症する点があります。小児期に発症するケースが多いので別名、小児糖尿病とも呼ばれます。
主に自己免疫が原因でおこります。
身体がもともと持っているリンパ球が誤って、自分のインスリンを作る工場である膵臓のランゲルハンス島β細胞の多くを壊してしまいます。
インスリンの工場が壊れてしまうので、インスリンが全くでないということもあります。
Ⅱ型糖尿病
Ⅱ型糖尿病は中高年になって発症するケースが多い糖尿病です。体質のほか、暴飲暴食など食生活や運動不足が原因でおこり、血糖値が正常より高くなる病気です。
Ⅰ型糖尿病と比べるとインスリンが全く出ないというケースは少ないですが、インスリンの量が少なくなっていたり、出ていても十分にその機能を発揮していないということがほとんどです。
Ⅱ型糖尿病の初期は自覚症状がないため、健康診断などで見つかることが多いです。
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病はその名前の通り、妊娠の影響であらわれる糖の代謝異常です。妊娠前は問題なかったのに、妊娠中に初めて見つかったものをいいます。
妊婦さんのうち、約1割程度の方が妊娠糖尿病と診断されます。
妊娠中は、普段と身体の状態が変わっています。
このため、筋肉や肝臓、脂肪細胞などでインスリンが働きにくく、糖の代謝がうまくいきにくくなります。
また、胎盤性ホルモンがインスリンの作用を打ち消すことも原因の1つと考えられています。
妊娠中は身体が普段と違う状態になっており、妊娠糖尿病になると早産などの危険もあるので、主治医の注意をよく聞き、食生活の改善や運動をおこなうのが良いでしょう。
その他の糖尿病
クッシング病や末端肥大症、慢性肝炎、肝硬変、慢性膵炎などほかの病気が引き金になって起こる糖尿病があります。こうしたケースでは糖尿病の治療も大切ですが、原因となっている病気の治療をおこないつつ、血糖値をコントロールすることが大切です。
初期症状
糖尿病の初期症状としては
初期症状
- やたら喉が渇く
- 尿の量や回数が多い
- 身体がだるい・疲れやすい
- 尿の泡が消えにくい
- 手足がしびれる
- 性欲減退・月経異常
などがあります。
手足にぴりぴりとした痛みがある場合、もしかしたら糖尿病かもしれません。
こうした症状があり、気になる時は練馬クリニックにご相談ください。