骨粗鬆症ってどんな病気?

骨がもろくなる骨粗鬆症は、男性よりも女性に多い疾患です。
年齢と共に若いころよりも骨が弱くなる、加齢性変化といえます。
また、女性に多い理由は、閉経によるホルモンバランスの変化で骨の代謝に変化が起きるからです。

歳を取って骨が弱くなる、加齢や閉経によるものは「原発性骨粗鬆症」と呼びます。
薬剤によるものや、悪性腫瘍などが原因となり骨がもろくなるのは「続発性骨粗鬆症」です。

ここでは、大半を占める原発性骨粗鬆症の診断手順や、治療について述べますが、臨床の現場では何かの原因により骨粗鬆症となっている続発性骨粗鬆症の可能性は常に念頭において対応する必要があります。

骨粗鬆症を疑う所見

はじめに、腰痛など筋骨格系の有症者で骨粗鬆症が疑われる方、健康診断で年齢や性別などからスクリーニングの対象となる方を選定します。

  • 脆弱性骨折の既往(軽い外力による骨折)
  • 腰背部痛
  • 健康診断でのスクリーニング
  • 背骨が丸くなり、身長が低くなる

診断

診断は、X線を用いた骨密度測定器で、骨塩定量測定を行います。骨塩定量検査では骨密度と、若年者の平均値と比較したパーセンテージ(Young Adult Mean:YAM)を測定します。
検査結果は骨密度の絶対値と、年齢別の平均値が以下のような図で示されて表示されます。

軽い外力での骨折の既往(脆弱性骨折の既往)と、YAM値から、以下のように骨粗鬆症の診断を行います。

YAM値脆弱性骨折の既往あり既往なし
YAM値80%以上骨量減少~骨粗鬆症正常
YAM値70~80%骨粗鬆症骨量減少
YAM値70%以下骨粗鬆症骨粗鬆症

骨を作る細胞と骨を壊す細胞

診断をつけて、どのような治療を行うのかを判断します。
その上で、骨も細胞でできていて、常に入れ替わっている、ということは治療方法を選択するにあたり重要です。骨を作る細胞と骨を壊す細胞がバランスを取って、骨の新陳代謝が起きています。

治療

治療法は骨粗鬆症の状態や程度により変わってきます。大きく分けると下記2つに分類されます。

  1. 脊椎や股関節の脆弱性骨折がある骨粗鬆症の場合
    骨を作る細胞を活性化する治療
  2. 骨折はないが、骨密度が低くなってきているような骨量減少の状態
    骨を壊す細胞を抑制する治療

予防のためにできること

骨の強さは筋強度や筋持久力と相関関係があります。
日ごろから歩くことを意識したり、運動をすることで骨は維持強化されます。
また、骨形成に必要なビタミンDは、日光に当たると活性化するので、外に出かけることも重要です。
健康的な生活を送ることが、まずは重要です。

>>適度な運動で骨粗相症予防をしたい方はこちら

| ニュース&ブログ一覧へもどる |