顔面の帯状疱疹の星状神経節ブロック注射について

今日は顔面の帯状疱疹後の神経痛で悩まれている患者様が来院されました。
帯状疱疹とは帯状疱疹とは体の左右どちらかに紅斑が帯状に広がり、その上に水ぶくれが生じていく病気です。帯状疱疹は身体にできるイメージですが、顔や身体などどこにでも出現します。
原因多くの方が子供のときに感染した水疱瘡(みずぼうそう)のウイルスが原因で起こります。水疱瘡が治った後も、ウイルスは体内に潜伏しており、免疫力が低下すると、帯状疱疹のウイルスが再び活性化して、発症してしまいます。通常、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、その後もピリピリとした痛みが持続することがあり、これを帯状疱疹後神経痛といいます。これは急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたことによって起こります。

帯状疱疹後の神経痛は皮疹が治った後も数か月から数年にわたって続くため、帯状疱疹後の神経痛が出現した場合は、局所療法などのさまざまな治療法を組み合わせていきます。その中の一つの当院で行なっている顔面の帯状疱疹のブロック注射について本日はお話しします。

星状神経節ブロック(SGB)は,頸部の交感神経節で ある星状神経節、その周囲に局所麻酔薬を注入し, 交感神経を遮断するブロック注射です。痛みを和らげるだけでなく、筋肉の緊張状態も解消されます。

星状神経節ブロック

方法まず、ベッドに仰向けになり身体の力を抜きます。医師が消毒し、のど仏の横あたりに注射をします。穿刺痛はありますが、細い針で行うため強く、響くような痛みではありません。治療は30秒ほどで終了します。終了後はベッドで20分ほど安静にしていただき、治療は終了です。治療後10分ほどすると、まぶたが垂れ下がる、汗が止まるなどの症状が出現することがありますが、ブロックが効いている証拠なのでご安心ください。その他、反回神経麻痺といい、声が出ない、声の掠れが出現する時がありますが、症状がある間は飲み込む力も弱くなっているので食べたり飲んだりはしないで下さい。また腕神経麻痺といい腕の痺れ、腕の筋力低下が出現する時がありますので、車の運転は控えるようにお願いします。これらは局所麻酔薬が他の神経を麻痺させたために起こる症状です。時間が経てば元に戻りますのでご安心ください。


帯状疱疹にならないための予防としては帯状疱疹ワクチンや、生活習慣を見直して免疫力を高めることが大切です。当院では50歳以上を対象にワクチン接種もしているので気になる方はお声掛けください。接種費用 10,000円(税込) ※対象:50歳以上

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