「肩こり+頭痛」で、どの診療科を受診したら良いか迷われる方は沢山いらっしゃいます。
ペインクリニックは「肩こり+頭痛」の診断、治療を得意としている診療科目です。
肩こりに加えて頭痛がするという訴えの多くは、緊張型頭痛、という頭痛です。緊張型頭痛は主に「後頭神経」という神経が原因となります。
首の後ろは、真ん中がくぼんでいて、盆のくぼ、と呼ばれます。盆のくぼの両脇の筋肉の上端外側のくぼみは、東洋医学の「天注」というツボにあたります。天注から、後頭神経は出てきて、耳の後ろ側、側頭部を上方に這うように分布しています。
緊張型頭痛の特徴として、
- 肩こりを伴う
※デスクワーク、授乳、運転、スマホなど同じ姿勢を続けている - 後頭部から頭頂部にかけての締め付けられるような、重苦しい痛み
- 天注を押すと痛い(進行すると触っただけで痛い)
- 忙しい、時間に追われているなどのストレスで悪化する
- めまい、吐き気を伴うこともある
などが挙げられます。
吐き気を伴うこともある、と書きましたが、緊張型頭痛とよく間違えられる頭痛に片頭痛があります。
光や音の刺激で痛くなる場合には片頭痛で、緊張型頭痛とは異なるタイプの頭痛になります。
片頭痛は、締め付けられる痛みではなくて、拍動性のある脈を打つような「ズキンズキン」とリズミカルな頭痛で、吐き気を伴い、肩こりはないです。
緊張型頭痛は、肩こりの原因となるような日常生活が根本にある場合には、生活の改善が必要になります。
また、ストレスや気持ちの緊張状態で引き起こされることも多く、リラックスをしたり好きなことをやる時間を増やす、ことが有効です。
また、血流をよくすると、筋肉や神経に酸素・栄養分が行きわたり、症状が良くなることもあります。
日常的なウォーキングやプールなどの有酸素運動、体操、ストレッチで体を動かすことも効果があります。
毎日、30分以上の入浴(半身浴でOK)は有効です。入浴剤や音楽を楽しみながらリラックスの時間に使うと更に効果的です。
病院での治療としては、筋弛緩薬やシップによる局所の炎症の治療に加え、星状神経節ブロックや後頭神経ブロックなどの神経ブロック注射も有効です。
肩こりだけでなく、頭痛や吐き気があると、仕事も捗らないし、ストレスも増え、悪循環です。
この記事を参考にして、ペインクリニックに受診し、症状を改善につながる適切な治療を開始できること願っています。