父親が腰部脊柱管狭窄症と診断されました。お薬をもらったのですが、あまり効果がみられません。ペインクリニックでブロック注射という治療があると聞いたのですが、効果はどのくらい通院したら実感できますか?

目安になるのは5回程度とされています。

実際に注射をしてみないとわからないこともありますが、5回注射して効果がない場合は、100回注射をしても効果がない場合が多くなっています。
もちろん、良くなったり悪くなったり、状況は変化しますので、一概には言えませんが、一つの目安としてご参考ください。

神経ブロック注射は、「痛みの悪循環」を遮断し、自己治癒力を高める効果があります。
何回か繰り返すことで、徐々に痛みが無くなっていくのは、そのためです。

治療は大きく保存治療手術治療にわかれます。
当院でもまずは保存治療がメインの治療になっており、内服治療から始めますが、質問者様のように薬で効果が得られない場合で、歩行障害など日常生活に支障があるような場合は神経ブロック(硬膜外ブロック、神経根ブロックなど)を行い、疼痛の緩和をします。
またリハビリテーションも併用し、体幹の筋力強化や柔軟性の獲得をします。
当院では多角的なアプローチをして、患者様の生活を応援する治療を目指しています。

腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状としては、寝ている時や椅子に座っている時は症状が無く、立って歩くと症状が出る「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」があります。

通常、椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛の場合は、腰を前屈させることによって坐骨神経が引っ張られ、症状が悪化する傾向があります。
これに対して腰部脊柱管狭窄症の場合では、腰が後屈することで狭窄が悪化します。
中高年の人で腰痛や足の痛みを訴える人の多くはヘルニアではなく、狭窄症という病気の場合がほとんどです。
原因は、脊髄が通っている背骨のトンネル(脊柱管)が加齢によって狭くなり、足や腰につながる神経が圧迫されるためです
血管も圧迫されるため神経への血液不足が起きて、神経はさらに痛みやすくなるのです。

立位や歩行によって下肢痛や下肢のしびれ・つっぱり感が出現はするものの、前かがみで少し休むとまた歩けるようになるという方が多いです。
なぜかというと、腰を曲げて休むと血液が流れやすくなり、痛みやしびれが低下するため、再び歩けるようになるのです。

腰部脊柱管狭窄症は治る場合もありますが、痛みとうまく付き合っていく病気と考える方が自然です。
治療を組み合わせながら痛みやしびれを軽減して日常生活が取り戻せることを目指しましょう。

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