痛みに対する治療をおこなうという広範な意味においては、ペインクリニックも整形外科も共通しますが、その焦点やアプローチには明確な違いがあります。ペインクリニックは、もともと投薬や注射で痛みの治療を行う診療科目として発展しているので、整形外科と同じような対象を扱うことになりますが、それぞれの得意分野が異なります。

ペインクリニックの特徴
主に慢性的な痛みの管理を専門とする医療機関です。患者の痛みの原因を診断し、適切な治療法を提供することを目指します。 日本では、一般的に麻酔科出身の医師が担っています。また、理学療法士などとも連携をとりながら治療をおこなっていきます。ペインクリニックの主なアプローチには以下のようなものがあります。

- 多角的アプローチ: 痛みの管理には、薬物療法だけではなく、理学療法、心理療法、ブロック治療(神経への注射)、鍼治療など、さまざまな治療法を組み合わせて行います。
- 個別化された治療: 患者ごとに痛みの感受性や原因が異なるため、治療方針は個別に策定されます。
- リハビリテーション: 痛みが軽減すれば、再発防止のためのリハビリテーションや運動療法も行われます。
整形外科の特徴
骨、関節、筋肉、靱帯、神経など、運動器の疾患や外傷を扱う専門分野です。整形外科医は、外科手術や保存療法を通じて、主に外傷や病気による身体の機能障害を治療します。 整形外科の主な焦点には以下のようなものがあります。

- 外傷の治療::骨折や脱臼、靭帯損傷など、急性の外傷に対する治療が多いです。
- 運動器の疾患:変形性関節症、肩凝り、側弯症など、慢性的な運動器の疾患に対しても専門的な治療を行います。
- 外科的介入: 必要に応じて手術を行い、損傷した組織を修復したり、人工関節置換術などで機能回復を図ります。
両者の違い【まとめ】
1. 治療の焦点
ペインクリニック:慢性的な痛みに特化
整形外科:外傷や運動器の疾病に焦点を当てている
2. アプローチ
ペインクリニック:多角的なアプローチが重視される
整形外科:手術療法を含む具体的な外科的処置に重きを置くことが多い
3. 疾患の範囲
ペインクリニック:痛みに関連する広範な疾患を対象
整形外科:骨や筋肉に直接関連する疾患を治療
ペインクリニックと整形外科は、それぞれ異なる視点から痛みや身体の問題にアプローチしています。痛みの種類や発生のメカニズム、治療方法に対する理解を深めることで、自分に最適な治療を選ぶことができるでしょう。
当院では、お薬での治療、神経ブロック注射、リハビリテーションや、生活習慣病予防の栄養指導など、患者様の症状や日々の生活などを考えながら、医師や理学療法士、管理栄養士などが多角的・総合的に治療をしていきます。ひとりで悩まず、ぜひ一度ご相談ください。
ペインクリニックと整形外科の違い まとめ
ペインクリニック:痛みを取り除く、緩和する
整形外科:機能回復
痛みは目に見えないため、家族や職場の方など周りの方に同じように理解してもらうことは難しく、我慢してしまう方がほとんどです。ですが、我慢を続けてしまうと仕事や日常生活にも影響を及ぼしてしまうほど悪化してしまう場合もあります。
さらに、ご自身では今後痛みとどう付き合っていくべきなのか判断が難しいと思いますので、「この程度でクリニックにかかるなんて…」と思わずに、お近くに医療機関に相談するようにしましょう。症状が軽い場合でも、その先困らないように予防の習慣をつけることをサポートできますので、まずはお話を聞くだけでもいらしてください。
肩こりや腰の痛み、痺れを取り除きたい方 >> ペインクリニックへ
病気や怪我などから来る痛みをやわらげたい方 >> 整形外科へ

この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任