運動強度や回数は、その人の目的(例:筋力をつけたい、体力をつけたい等)や状態(心疾患、呼吸器系の疾患、骨粗鬆症等)によって異なります。
そして今回は、夏の運動強度や回数ということなので、“夏”とういうキーワードが含まれています。
夏の運動で気をつけないといけない点は、熱中症・脱水・運動負荷の再設定が必要なことです。
今回は基礎疾患のある方を除き、それぞれの目的に合わせた運動の強度・回数を紹介しつつ、夏の運動で気をつけないといけない点をふまえた対策をあげていこうと思います。
運動強度・回数と目的
運動強度の表し方は、METs、心拍数、最大挙上重量(1RM)等を用いて表します。
目的:筋力・筋持久力を上げたい
最大挙上重量(1RM)は1回で挙上できる重量を示します。
なので10RMならば10回挙上できる重量となります。
筋肥大:10〜15RM(高負荷で少ない回数)
筋持久力:15〜20以上RM(低負荷で多い回数)
ジムなどに通っている方は、重さを確認しながら自身で算出することができます。
目的:体力をつけていきたい
体力をつけていくには有酸素運動が効果的です。
最大心拍数=220−年齢
安静時心拍数:1分間あたりの脈拍数
有酸素運動での運動強度:50〜70%
目標心拍数=(最大心拍数−安静時心拍数)×強度+安静時心拍数
例えば50歳、安静時心拍数60回、運動強度0.5ならば
目標心拍数=(220−50−60)×0.5+60
目標心拍数を115拍/分にしならがランニングやウォーキングを行っていただけたら効率的に体力をつけていくことが可能になります。
*上記の運動強度を70%以上まで上げいくと最初の目的であげた筋力アップにもつなげていけます。
目的:体重を落としたい
体重を落としたい際は、有酸素運動と運動での消費カロリーを知ることが大事です。
有酸素運動に関しては目的:体力をつけていきたいをご参照下さい。
7000kcal=1kgといわれています。今回は消費するエネルギーの運動に関してをふれていきます。
消費カロリー(kcal)=メッツ×体重(kg)×運動時間(h)×1.05
上記の表は厚生労働省が提示しているものになります。
例えば60kgの人が6メッツのものを60分行いたい場合
消費カロリー(kcal)=6×60×1
その為、この方は360kcalを運動で消費したことになります。
メッツの数が大きいほど消費カロリーは増えていきます。
基礎代謝や食事での摂取するカロリーなどを計算しながら無理のない体重量の軽減に努めていく必要があります。
自己管理が難しい方は、管理栄養士などの専門職種の方に聞くのがおすすめです。
夏の運動での対策
気をつけること
・熱中症
・脱水
・涼しい季節と比較して運動強度が高まる
熱中症・脱水
夏の暑い時期、運動を行うと汗をかきます。汗をかくと体から水分が排出されます。
一般的に、体内の水分量は成人で60%、高齢者で40%とされています。
人は1日2.0Lの排泄物(尿・汗など)が排出されています。
それに加えて運動により汗の排出が多くなります。その為、こまめな水分補給が大事になってきます。
特に体内からナトリウム(Na)が多く排出されるため水分摂取+塩分を摂るようにしましょう。
摂取頻度は、運動前に1回、運動中に1回、運動後に1回とこまめな摂取を心がけて下さい。
また汗をかきすぎないように、日陰で運動をおこなったり・こまめにタオルで朝を拭いたりするようにしましょう。
運動負荷の再設定
日本の夏は他の季節と比較して、気温が高いです。気温が高いと心拍数が高くなります。
目的:体力をつけていきたいにて目標心拍数の話をさせていただきました。
気温が高いと計算式の安静時心拍数の数が変わってくるため夏は目標心拍数の数を変更する必要があります。
・涼しい季節の場合
50歳、安静時心拍数60回、運動強度0.5ならば
目標心拍数=(220−50−60)×0.5+60=115
・夏の場合
50歳、安静時心拍数80回、運動強度0.5ならば
目標心拍数=(220−50−80)×0.5+80=125
これらを踏まえて、夏の運動の強度・回数は自身の目的に合わせて行いつつ、夏に気をつけるべき点をおさえながら運動を行なっていただけたらと思います。
一人一人が運動をする際の目標に到達できることをお祈りしております。