変形性膝関節症と肥満(BMI:31.3)の方が・人工膝関節全置換術の先延ばしを目指した症例をご紹介します
通院当初の様子
患者さん:A様 60代女性 BMI:31.3(肥満)
お悩み:膝が痛くてつらい。
ご要望:仕事をしているので定年までは手術をせずに過ごしたい。
診断の結果
変形性膝関節症(内側半月板の逸脱・膝窩筋損傷)と診断。
さらに、レントゲンで骨棘(こつきょく)と呼ばれる関節の軟骨が硬くなって骨化した「とげ」のような状態も見られました。
この患者さんに対して理学療法士と管理栄養士が行ったのはこちらです。
- 膝関節の痛み軽減のためのリハビリ
- リハ栄養相談
- 体重量の軽減や動作指導
- セルフトレーニング・セルフケア指導
その中で、今回はリハビリでの体重量の軽減に着目してみます。
肥満改善で膝への負担を楽に
歩く際など膝関節にかかる負担は体重の約3倍とされています。
特に肥満の方は膝にかかる負担が大きく、クッションの役目を果たしている軟骨がすり減りやすくなったり、変形性膝関節症に多いO脚を助長し膝の内側軟骨をすり減らしたりしています。
その為、肥満の方は体重量を落とすため食事と運動の両方の面からのアプローチが大事になってきます。
Aさんには当院のリハビリにて筋力トレーニング後の有酸素運動を行い、成長ホルモンを促進させ脂肪燃焼効果の良い状態でのトレーニングが有効です。
当院ではカロリー表示のできる有酸素運動として自転車エルゴメーターを提案しました。
しかし、通院当初は膝関節を90°以上曲げてくると痛みがあり、自転車エルゴメーターを漕ぐことは難しかったです。また歩行での膝関節痛もありウォーキングでの有酸素運動運動も困難でした。
その為、当院での筋力トレーニングと併用しながら自宅周辺のプールでのウォーキングを始めてもらいました。
プールを利用することで浮力の影響で体重の約50%程度軽減されることから、痛みなく歩くことが可能でした。
トレーニングと現在のAさん
当院での筋力トレーニングと自宅周辺のプールの利用(1時間程度:運動強度4.5METsで検討)で、運動でカロリーを消費。
そして、管理栄養士と連携をとりながら食事での摂取カロリーも見直しました。
その結果、現在はなんと、31.3あったBMIが、26.5程度に。
膝関節を曲げる可動域も広がり、痛みの訴えもなくなりました。
現在は自転車エルゴメーターでの有酸素運動もできるようになり、歩行状態も通院当初と比較して良好です。
このように当院では他職種との連携を図りつつ患者様のサポートを行なっております。
今回のように痛みでお困りの方や、生活習慣病・ダイエット外来など行なっておりますので気軽にお越し下さい。