帯状疱疹治療の様子

胸部の帯状疱疹で皮膚科から当院へご紹介があった80代の患者さんです。

皮膚科では帯状疱疹の薬であるアメナリーフ(ヘルペスウイルスを抑える薬です。このお薬は帯状疱疹発症からすぐに内服開始すると効果が期待できると言われています)と解熱鎮痛剤のロキソプロフェンが処方され内服していました。

帯状疱疹神経炎で夜も寝付けないほどの鋭い痛みがありました。

ペインクリニックとしての対応

帯状疱疹は水痘(水疱瘡)ウイルスによって皮膚の発疹・痛みが出る疾患です。

身体の左右どちらかの神経に沿って帯状に痛みと水ぶくれ・赤みをもった発疹が出ます。
症状が出た部位により治療する神経ブロック注射の内容も異なってきます。

この方は右胸部に帯状疱疹を患ったので、胸部硬膜外ブロック注射の治療を暫くの間毎日行われました。
また帯状疱疹による末梢神経障害性疼痛の内服薬であるタリージェ、帯状疱疹の発疹部分には非ステロイド炎症・鎮痛剤であるスタデルム軟膏の薬物療法も開始されました。

それでも夜眠れないほどの激痛が続き、鎮痛作用のある点滴も週1回追加になりました。

約1ヶ月ほど胸部硬膜外ブロック注射は続き、治療は肋間神経ブロック注射へと切り替わりました。
発症から約2ヶ月ほどでようやく眠れないほどの激痛は神経ブロック注射により緩和され、週1回の点滴と薬物療法のみの治療になりました。

今現在のご様子

痛みの状態を聞くと内側からの鋭い痛みはほとんどなくなり、帯状疱疹の発疹痕が服に時折擦れて痛む程度に落ち着いたとのことです。

来院当初は痛みが強く苦悶表情でした。
それが今では色々なお話もして下さり、笑顔が多く見られるようになりました。

日常生活もようやく戻り、日帰り旅行を予約し奥様と観光するのが楽しみだとおっしゃっておりました。

おわりに

帯状疱疹80歳までに3人に1人は患うと言われている疾患です。

50歳以上の方対象の予防ワクチンがあります。

治療に携わっていると帯状疱疹になった方からは以下の声を多数聞きます。

予防できるのであれば予防しておけば良かった。

予防するワクチンがあることを全く知らなかった。

帯状疱疹は今までかかってきた病気の中で一番の大病だ。

こんなにも痛くて辛い病気があるなんて。早くにワクチン打っておけば良かった。

当院では2種類の帯状疱疹ワクチンがあります。

☆ワクチン接種費用☆

・生ワクチン6,600円(税込)→1回接種
・不活化ワクチン15,400円(税込)→2回接種が必要


帯状疱疹にかかってしまい後悔するよりも、予防できるのであれば予防した方が安心です。
是非50歳になったら帯状疱疹ワクチンを受けましょう。

この記事の監修

この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之
監修しています。

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