運動を数週間(1回30分以上の運動を週5回以上の頻度。運動強度50〜70%程度※運動強度の算出は「Q夏の運動の強度や回数はどれくらいが適切ですか?」を参照ください)行うと、個人差はありますが収縮機血圧、拡張期血圧共に5〜10mmHg程度低下するとされています。
高血圧の治療として、薬物療法と生活習慣改善が推奨されています。
その生活習慣改善の1つが運動です。
血圧は心拍出量・末梢血管抵抗の2つの要因で規定されており、運動によって両者ともに低下し、血圧が下がると考えられております。
また「Q夏の運動の強度や回数はどれくらいが適切ですか?」を参考に運動によって体重量の軽減を図ることで体重1kgあたり血圧が0.5mmhg〜2.0mmhg下がるとされています。
しかし行う運動の程度によって異なりますが、運動中、血圧は上昇します(強度が高い程、上昇率は大きい)。
その為、高血圧の症状によっては、運動が採用できないこともあります。
高血圧の種類としてⅠ度〜Ⅲ度まであります。(以下表)
分類 | 収縮期血圧(mmHg) | 拡張期血圧(mmHg) | |
---|---|---|---|
正常域血圧 | 至適血圧 | 120未満 | 80未満 |
正常血圧 | 120~129 | 80~84 | |
正常高値血圧 | 130~139 | 85~89 | |
高血圧 | I度高血圧 | 140~159 | 90~99 |
II度高血圧 | 160~179 | 100~109 | |
Ⅲ度高血圧 | 180以上 | 110以上 |
Ⅱ度以上(収縮期血圧160mmhg以上)の高血圧の場合、あるいはI度以下で(収縮血圧140〜159mmhg)であっても心臓に血管系疾患(心疾患、左室肥大、心筋梗塞などの既往)を有している場合などは、運動療法は行わずに薬物療法が処置されます。
その為、高血圧の方はまずは医者に確認を行ない、運動の判断をしていただくのが適切です。
運動は今回のような血圧の治療だけでなく生活習慣病の発症が予防されるとともに、すでに発症している場合はその症状が改善されたりします。
当院では管理栄養士、理学療法士も在籍しており一人一人の適切な栄養指導・運動指導・生活習慣指導を行いながら利用者様の健康を支えてまいります。
この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任