MCTパウダーはダイエット目的をしている方、エネルギー不足や低栄養状態の方、体重管理や食事制限を行っている方、スポーツを行っている方などが利用することがあります。
ただし、個々の健康状態や目的によって適切な利用が必要です。
MCTとは
油の主成分は脂肪酸でできており、脂肪酸は分子が鎖状に連なった構造をしています。この構造の長さで分類すると、短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸に分かれます。
この時、中鎖脂肪酸と呼ばれるものをMCTと言います。MCTにはラウリン酸やカプリル酸、カプリン酸などがあり、パーム油やヤシ油、牛乳などに多く含まれています。
MCTパウダー
MCTパウダーは、主にココナッツオイルなどから抽出された中鎖脂肪酸を濃縮したものです。
通常の脂肪酸とは代謝経路が異なるため、効率よく分解されエネルギーになります。そのため、脂肪として蓄積されにくいのが特徴になります。
ケトジェニックダイエットや低糖質ダイエットのサポートとして使用
低糖質・高たんぱく、高脂肪の食事が基本で、MCTは急速なエネルギー供給をサポートします。体内のケトン体の生成を促し、脳や筋肉にエネルギーを供給します。
スポーツや筋トレを行う人
動く前に摂取することで、持久力やパフォーマンス向上が期待されます。また、運動時のエネルギーの源といわれるグリコーゲン蓄積を早め、疲労回復効果を高めるのも期待されています。
低栄養状態、エネルギー不足の方の補助
通常の脂肪より早くエネルギーに変換されることで速やかにエネルギー供給ができます。また、小腸から門脈を経由し、肝臓に入ることから栄養素の取り込みが効果的に行えます。
認知症患者や脳機能のサポート
MCTの代謝過程により生成されるケトン体は、脳のエネルギー源として活用されやすく、認知機能の向上が期待されるといわれています。
このようにMCTパウダーには様々な利点があるため、多くの人に適用できると思います。
しかし、健康上の問題がある場合などは、専門の医師や栄養士に相談しながら利用することが重要です。
また、MCTの取りすぎにより下痢・腹痛・胸やけといった体調不良を引き起こしてしまう可能性もありますので、使用方法をきちんと守り摂取することが重要になります。
この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任