80代で糖尿病です。生活習慣相談とはどのようなことをするのでしょうか?

糖尿病患者でいらっしゃる80代女性Kさんの例をご紹介します。

当初のKさん

目標:安定した血糖コントロールを行っていく(HbA1c:6.5%以下、空腹時血糖126㎎/dL)

初回の血液検査で血糖159㎎/dL、HbA1c:8.8%、中性脂肪155㎎/dL、アルブミン3.6g/dL、LDLコレステロール㎎/dL、体重84.1kg、BF%:51.9%、筋肉量:38.1kg、血圧153/93でした。


栄養相談と運動療法、薬物療法を行い、安定した血糖コントロールを行っていくことを目標にしました。

栄養相談での取り組み

栄養相談ではまず日常の食事内容や運動、生活リズムなどの聞き取りを行いました。

これまでのKさんの生活

朝(8:00):ご飯180g、魚1/2切、きんぴらごぼう、カステラ1切れ 
昼(12:00):にゅう麺(油揚げ、揚げ玉や野菜入り) :昼はほぼ麺類
夕(18:00):ご飯180、肉(牛肉のステーキ4切れ)、野菜サラダ(レタス、ブロッコリー、トマト)
夕食後間食(22:00):紅茶、チョコレート5つ、カステラ

  • 飲酒なし、水分量1L以下
  • 運動習慣なし
  • 食事の時間は決まっている、一番に食べ終わる
  • 調理は旦那さんがしてくれる
  • 日中は家でゴロゴロすることが多い

検査や聞き取り内容から、Kさん食事内容のフィードバックを行います

Kさんの取り組み

  • 体重が重い
    →摂取エネルギーと消費エネルギーを管理、運動療法を実践
  • タンパク質の摂取が少ない
    →1食あたり最低でもこぶし1個分のたんぱく源を摂取する(肉や魚、卵、乳製品、大豆製品)
  • 糖質過多(ごはん量や間食)
    →間食時間を昼にする、ごはんは150~160gを計って食べる
  • 消費エネルギーが少ない
    →来院リハビリで週1~2回ほど有酸素運動を取り入れる
  • 早食い
    →1口20回を目安に噛んでもらい、血糖値が上がりづらい食べ方として食べる順番を①食物繊維(野菜類)②たんぱく源(肉や魚などのメイン)③糖質(ごはんやパン、麺類)に変更

毎月短期目標をきめ、出来ることから食習慣の改善を行っていきます。

また、アプリ等を使用し食事の記録を行い、そこから摂取エネルギーを計算し、患者さんに合わせたエネルギー量や栄養素量を毎月見直し指導します。

現在のKさん

現在のKさんは84.1kgあった体重が70㎏までに減り、HbA1cは6.9%前後を維持することが出来るようになりました。

運動指導・食事指導・生活指導を行いながら、長期にわたりサポートしていきます。
いつまでも、お薬に頼らない健康的な生活を心がけましょう!

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