水を飲む=痩せるというように直接ダイエットに繋がるわけではありません。食事と運動を併用しながら適切な水分摂取を行うことで結果的にダイエットに繋がっていきます。
水を飲むことの効果は??
◎満腹感が得られる
水を飲むことで胃が膨らみ、満腹感を得られます。特に食事前に水を飲むと、食べる量を抑えることができ、結果的にエネルギー摂取を抑えられるという効果が期待できます。エネルギー制限をサポートし、低カロリーかつ無理のない方法で空腹感をコントロールする手段として水を摂取することはおすすめです。
◎代謝の向上
水を飲むことで代謝が上がる熱産生という効果があります。特に冷たい水を飲むと、体内で体温を高く維持しようとする働きでエネルギーを消費し、一時的に基礎代謝が向上します。これにより、ダイエット中のエネルギー消費がわずかに増加し、体重減少の助けとなります。しかし、冷たい水を摂取すると体温が下がり内臓での消化吸収などの働きが悪くなったり、血流の悪化することもあります。消化器官を守るためにも、飲む頻度を考えていく必要があります。
◎栄養素の代謝に
水は、脂質や炭水化物、タンパク質の代謝に欠かせないものです。例えば、脂肪を分解してエネルギーとして利用する脂肪酸の代謝には水が必要です。水分が不足していると、代謝が滞り、エネルギーの摂取効率が悪化し、脂肪燃焼が低下する可能性があります。適切な水分摂取により、代謝をスムーズに行うことが、ダイエットにおいて重要な役割を果たします。
◎老廃物の排出とデトックス効果
腎臓が正常に機能し、体内の老廃物や過剰な栄養素が尿として排出されます。このデトックス効果は、体内のバランスを保ち、代謝を促進します。特に、ナトリウムの排出が促進されることで、むくみが解消され、見た目にもすっきりとした体型を維持しやすくなります。
水を多く飲みすぎてしまうと??
◎電解質バランスの乱れや内臓への負担
水を過剰に飲むと、体内の電解質、特にナトリウムの濃度が低下する可能性があります。これにより、筋肉のけいれんや倦怠感、頭痛といった症状が現れることがあります。特に短期間で大量の水を飲んだ場合にリスクが高まります。体に必要な栄養素であるナトリウムやカリウムが薄まってしまうため、適切な水分補給が重要になります。
また、腎臓や腸など水の代謝を行う臓器に負担がかかってしまい、腎臓病などを悪化させたりする危険性もあります。
◎頻尿と生活の質の低下
水を多く飲むことで、頻尿になりやすくなります。特に夜間のトイレが増えることで睡眠の質が低下する可能性があります。睡眠不足は食欲を増進させるホルモンのバランスを乱し、結果的にダイエットの妨げになることがあります。ですので、夕方以降の摂取量を調整することが重要です。
まとめ
水をたくさん飲むことは、満腹感の促進や代謝の向上、栄養素の代謝促進といったダイエットに効果的な面もあります。しかし、過剰な水分摂取は電解質バランスの乱れや、頻尿による生活の質低下などのデメリットも存在します。
適切な量とタイミングで水を摂取し、バランスの取れた栄養のある食事と組み合わせることで、ダイエット効果を最大限に引き出すことができます。水の適正量は専門家にきちんと相談されることもおすすめです。
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この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任