突然痛くなるような腰痛は一般的に「ぎっくり腰」と言われますが、医学的には「急性腰痛症」といいます。
急性腰痛症は、一般的には数週間で改善することが多いですが、それまでの間、仕事や家事などに支障をきたすこともあるため、腰痛を早く治す方法についてのポイントをご紹介します。
腰痛を早く治すポイント
- 医療機関(整形外科)を受診して原因をつきとめる
- 腰に負担をかけない楽な姿勢をとり、可能な範囲で通常の生活を心がける
①早めに医療機関(整形外科)を受診して原因をつきとめる
日常生活や仕事に支障をきたすくらいの腰痛の場合には、早めに整形外科を受診することをおすすめします。
急性腰痛症には、原因がはっきりとしないものが多いとされていますが、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など急性腰痛症の原因とされる代表的な疾患が隠れている場合もあります。
整形外科で、医師の問診や検査から原因がわかれば、内服(痛み止め)や注射、貼付剤(湿布)などの適切な処置が施される他、リハビリテーションが提供可能な状況であれば、リハビリ専門家から腰痛がある際の過ごし方やその後の予防に関しても、直接アドバイスが聞ける可能性があります。
また、腰痛を訴える人のうち数%のごく少数ではありますが、「レッドフラッグサイン」といわれる骨折や腫瘍などの生命に関わる重大な病気が原因の場合もあるため、我慢できないような痛みがある場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。
②腰に負担をかけない楽な姿勢をとり、可能な範囲で通常の生活を心がける
痛みが出た発症直後は、楽な姿勢をとりしばらく様子をみるのがよいでしょう。
楽な姿勢とは、腰に負担がかからない姿勢であり、一般的には2種類の姿勢をおすすめします。
・横向きで、股関節と膝を軽く曲げる(図1)
・仰向けで、股関節と膝を軽く曲げる(図2)
この姿勢以外でも、自分が楽と感じる姿勢であれば問題ありません。椅子やクッションに座るなど、座位姿勢は腰に負担がかかる可能性が高いため、避けたほうがよいでしょう。
しかしながら、長期間の安静はあまり好ましくなく、可能な範囲で普段どおりの生活をするほうが経過は良いとされています。長期に休むと、筋力が落ちたり、心肺機能が低下することでさらに腰への負担がかかるためです。激痛を我慢してまで動く必要はないですが、楽な姿勢で休んだ後に身体を動かせる状態にある場合には、日常の動きを心がけてみましょう。
最後に、急性腰痛症は画像診断などで明らかな原因が見つからない場合が多く、その場合普段の生活の中に腰痛を引き起こすような習慣が隠れていると考えた方が良いでしょう。運動、睡眠、ストレス、血行不良などがその代表的なものです。
当クリニックでは、医師による治療やリハビリでの施術のみでなく、その方の生活習慣まで掘り下げ根本的な原因をみつけ、サポートできるような運動指導や栄養相談なども提供しています。
対象になる診療内容
この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任