腰痛は日本でも有病率の高い症状です。
慢性的なものならまだしも、急に起きた激痛の腰痛は歩行困難も伴う場合が生活に支障が出ることがあります。
何が原因で病院の何科に行けばいいのか分からないことは多いでしょう。これから腰痛の原因を解説します。
腰痛とは症状であり、いろいろな疾患の集合体です。総合的に腰痛を病院で診察する必要があります。
腰痛の種類で何科を選ぶべきか?
筋骨格系の急な腰痛はやはり、ぎっくり腰でしょうか。正式名称は急性腰痛です。
突如起こる激痛で救急車を呼んで病院を受診することもあるくらいです。病院でレントゲンを撮っても特に異常が見当たらないです。どこが原因であるのか現代医学でもはっきりしていません。
次には腰椎椎間板ヘルニアでしょう。腰椎の椎間板の髄核が飛び出して脊髄神経を刺激します。
腰痛もありますが下肢の激痛(坐骨神経痛)を生じます。高齢の患者様で多いのは尻餅や転倒などで起こる腰椎圧迫骨折です。
歩くことのできる場合から、歩行不能で入院の必要になる場合まで様々ですが、コルセットの作成や鎮痛薬の投与、安静が必要となってきます。
筋骨格系の腰痛以外は何科を受診すればいい?
筋骨格系の腰痛であれば整形外科やペイン科がある病院を受診すればいいと思います。
ですが、腰痛には筋骨格系疾患以外の可能性もあります。
例えば、突然の腰背部の激痛を起こす尿管結石です。これはレントゲンやCT、尿検査なども行う必要があります。
尿管結石の場合、血尿などが引き起こされることもありますので、総合病院の泌尿器科を受診するようにしましょう。
また頻度としては大変稀ですが、大動脈瘤で腰痛が起こることもあります。これらは心臓血管外科が専門家となります。
総合病院に行くことが必要となります。
また頻度の低いものとして膵臓癌など膵臓の病気で背部痛が起こることもあり、これは内科が専門です。
腰痛は大半が安全なものですが重篤な疾患が隠れている場合もあります。
筋骨格系以外の腰痛・診療科のまとめ
尿管結石:泌尿器科
大動脈解離:心臓血管外科
膵臓癌:内科
何科かを決めるのは腰痛の程度で
腰痛の原因はさまざまな要因から構成されますので、患者さんそれぞれの腰痛の程度で病院の何科を決めるべきです。
歩行可能、車椅子ならなんとか移動できる腰痛であればまずは、整形外科やペイン科の受診をオススメします。
筋骨格系の疾患であるかそうでないか、判断することができます。
七転八倒して動けない、安静にしていても激痛がする、このような場合は重篤な疾患の場合がありますので、総合病院の救急外来や場合によっては救急車を呼ぶことが安全だと考えます。症状に合わせて何科を受診するのか決めてみてください。
対象になる診療内容
この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任