ペインクリニックでは、口腔内の痛みの治療も行っています。可能性として考えらえる口腔内の痛みは神経性障害疼痛です。
口腔の知覚(痛覚・温度感覚・触覚・圧覚)は主として、三叉神経・脳神経が司どっています。
三叉神経は、脳を起点として三つの枝(眼神経・上顎神経・下顎神経)に分かれ、頭蓋骨から口腔・顔面に出て知覚を支配しています。この経路の中で、神経が圧迫・障害されることで痛みや麻痺のような症状が発生します。
主に以下の神経の圧迫・障害が考えられます。
- 三叉神経痛
- 舌咽神経痛
- 帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛
三叉神経痛
三叉神経とは顔の知覚を脳に伝える末梢神経の一つです。
大まかに説明すると、三叉に分かれて、目から上のおでこ、目と口の間のほっぺた、口から下の顎あたりに分布しています。
三叉神経に圧迫・障害が発生すると三叉神経の分布に沿って数秒から数十秒電気が走ったような痛みが生じることが多いです。
触れると痛みが生じる部位があり、顔を動かす動作である会話や食事、顔に触れる洗顔や歯磨き等様々な生活動作によって痛みが誘発されます。
舌咽神経痛
舌の後ろ1/3から耳にかけての知覚を司どっている脳神経の一つです。
何かを飲み込んだときの痛みが特徴です。大きく口を開けたときや食事での味刺激でも痛みが誘発されることがあり、痛みは電気が走ったような痛みで鋭く激しい痛みであることが多いです。
帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛
幼少の頃に発症した水ぼうそうウィルスは免疫低下によって、再度活動・増殖してしまいます。
ウィルスは神経の走行に沿って皮膚に移動し、帯状の発疹が発生、帯状疱疹として目に現れることになります。
帯状疱疹は発疹が出ている際に焼けるような痛みや発作性の電気痛が同部位に発生し、皮膚や口腔内に潰瘍が形成されることがあります。
これらの症状が治癒した後の帯状疱疹の神経痛では、上記のような痛みに加え接触痛が発生することが特徴的です。
これらの神経痛への治療法は、当院では薬物治療と神経ブロック注射をご提案しています。
ブロック注射を行うことで、神経の炎症を改善し、緊張による血流を改善させます。
痛みの治療はもちろん、炎症が起きている部分や傷んでいる部分を回復させる目的もあります。
痛みは我慢せず、是非一度ご来院ください。