生活習慣病に対してどのような取り組みをおこなっていけばよいでしょうか?

生活習慣病とは加齢よりも、その名の通り自身の生活習慣(不適切な食習慣、運動不足、喫煙、過度な飲酒、ストレス)と密接な関係があります。
進行すると命に関わるような深刻な病気が多いので、発症しないための予防がとても大切です。予防の鍵となるのはやはり上記の5つの観点で生活を見直し、ポイントを認識して心がける事から始めましょう。

◆生活習慣病と発症の主な原因

  • 食生活が原因で発症する疾患:糖尿病、肥満症、高脂血症、大腸がん
  • 運動不足が原因で発症する疾患:糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧症
  • 喫煙が原因で発症する疾患:肺がん、慢性気管支炎
  • 過度な飲酒が原因で発症する疾患:肝硬変、脂肪肝

◆適正数値を知ることから始めましょう

・標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

あなたが一番病気にかかりにくいとされる体重です。

・一日に必要なエネルギー量(kcal)=標準体重×25~30kcal

肥り過ぎている人や活動量が少ない人、高齢者は、少ないほうのカロリーを、活動量が多い人や若年者は、多いほうのカロリーを基準にします。

◆5つの観点からの予防

①食生活

基本は”一日三食きちんと食べる”、”バランスのとれた健康的な食事”、”適切な摂取カロリー、減塩”です。

・「主食」を基本に「主菜」、「副菜」をじょうずに組み合わせた食事を

・毎食野菜を取り入れ、食物繊維やビタミンを十分にとる

・みそ、しょうゆなど塩分の多い調味料の摂りすぎに注意し、レモン・すだちなどの柑橘類や、わさび・唐辛子・しょうがなどでおいしく減塩する

②運動

運動習慣をもつようにする、今よりも10分増やす、という事をまず意識しましょう。

家事等の日常生活における生活活動、スポーツ等の運動を含めて身体活動と呼びますが、年齢に合わせての身体活動基準が発表されています。

・65歳以上:強度を問わず、身体活動を毎日40分

・18歳~64歳:身体活動(歩行またはそれと同等以上)を毎日60分、運動(息がはずみ汗をかく程度)を毎週60分

③たばこ

禁煙することが一番の対策です。30歳までに禁煙すれば寿命が約10年長くなると言われているそうです。

④お酒

通常のアルコール代謝機能を有している日本人の「節度ある適度な飲酒」としては、1日平均純アルコールで約20g程度が目安です。

・ビール(5度)中びん1本

・ワイン(14度)グラス2杯

・ウィスキー(43度)シングル2杯(60ミリリットル)

・缶チューハイ(5度)1.5本

⑤休養

生活習慣病のリスクを少なくする睡眠時間は7時間程度とされています。睡眠時間が6時間未満の人や10時間を超える睡眠過多の人は生活習慣病になるリスクが上昇します。

睡眠に限らず、仕事の合間に「休憩」する、仕事をしない「休日」をつくる、夏休みや年末年始の「休暇」をとって心身ともにリフレッシュする事が大切です。

以上、予防の5つのポイントを紹介しました。全て取り入れるのは大変に感じるかもしれませんが、今できる事を少しでも工夫すれば生活習慣病にかかるリスクは下がります。

◆当院の生活習慣病内科

医師・看護師・理学療法士・管理栄養士がチームになり、患者様に合わせた食事療法と運動療法で、生活習慣の根本から治療・改善をしていきます。ぜひ気軽にご相談ください。

生活習慣病についてはこちらのページもご覧ください

この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。

【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任

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