PFCバランスといわれるタンパク質、脂質、炭水化物のバランスを考慮した食事方法が重要になってきます。単に食事を減らすのではなく、自分に合ったエネルギー量かつPFCのバランスを心がけた食事を良いで行うことがリバウンドなく体重を減らしていくことが出来ます。
PFCバランスについて
〇タンパク質(Protein):
タンパク質は筋肉の維持、修復やホルモン機構や免疫系などに働きます。満腹感を持続させるためにも重要な役割を果たします。1日に体重1kgあたり1.2〜1.6g(もしくは総エネルギー量の15~20%)のタンパク質を摂取することが推奨されています。
例えば、体重が60kgの人なら、72g〜96gのタンパク質が必要です。
良質なタンパク質源には、鶏肉、魚、大豆製品(豆腐や納豆)、卵、乳製品(ヨーグルトやカッテージチーズ)などがあります。また、豚や牛肉は脂肪分が多く含まれるため、食べる部位に注意が必要です。
〇脂質(Fat):
脂質はエネルギー源として必要不可欠であり、脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割もあります。ただし、摂り過ぎは体脂肪の増加につながるため、適量を守ることが重要です。総カロリーの20〜30%を脂質から摂取するのが理想的です。
健康的な脂質源として、オリーブオイル、ナッツ類、アボカド、魚油(オメガ3脂肪酸豊富なサーモンやサバ)などがあります。また、体脂肪になりにくいといわれるMCT(中鎖脂肪酸)を活用するのも効果的です。
飽和脂肪やトランス脂肪(バターやラード、ショートニングなどが含まれる加工食品:お菓子)は避けましょう。
〇炭水化物(Carbohydrate):
炭水化物は主なエネルギー源であり、私たちには欠かせないものです。しかし、精製された炭水化物(白パンやお菓子など)は血糖値を急上昇させ、脂肪蓄積を促進するためダイエット中は極力避けましょう。全粒穀物や野菜、果物から摂取することを推奨します。
一日のカロリーの50〜60%を炭水化物から摂るのが目安です。例えば、2000kcalの食事なら、800kcal〜1200kcalを炭水化物から摂取する形になります(200g〜300gの炭水化物)。
食事は一汁三菜の食べ方を基本にするのもよいでしょう。
主食:全粒粉のパンや玄米を利用、
主菜:鶏肉や鮭やサバといったタンパク質、
副菜:ほうれんそうのお浸しやサラダなどで消化吸収に必要なビタミンやミネラルの摂取、
汁物は乳製品や果物に置き換えて摂取するのもよいでしょう。
まとめ
PFCバランスを考慮した食事を続けることで、栄養バランスが整い、無理なく健康的に体重を減らすことができます。また、栄養素のバランスを保つことで、エネルギー不足や栄養欠乏を防ぎ、全体的な健康を維持することが可能です。
ダイエットは一時的なものではなく、長期的な健康維持のための生活習慣の改善と考え、無理のない範囲で継続していきましょう。
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この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任