最近、注射で痩せられるダイエット注射の広告を見ました。本当にやせられるのですか?

ダイエット注射にはいくつかの種類があり、その中には効果があるとされるものもありますが、一般的には使用する際に注意が必要なものもあります。

当院でのダイエット注射に含まれる成分には、エルカルチンやαリポ酸、パントテン酸があります。

エルカルチン 

アミノ酸の一種で、体内で生成されるものと食事から摂取されるものがあります。エルカルニチンは脂肪酸をミトコンドリア内に輸送し、脂肪酸の酸化を促進する役割を果たします。

特に運動中にエネルギーの供給源として重要になり、脂肪の酸化を助けて疲労を軽減し、持久力を向上させます。

アミノ酸はたんぱく質からの摂取が必要となりますが、1日の摂取基準を満たない場合が多いといわれるため、意識的に摂取する必要があります。
ですので、ダイエット中の方や、スポーツなどでエネルギー摂取量が多い人は、肉類の摂取を心がけましょう。

αリポ酸

αリポ酸は細胞内でエネルギー生産をサポートし、脂肪酸の酸化を促進します。
そのため、体内の脂肪代謝が活性化されます。

主に、エネルギーを作り出すミトコンドリア内で行われます。
αリポ酸はエネルギーを生み出すための回路に作用し、この回路がスムーズに機能することで、私たちは生活することが出来ます。

食事からは、レバーやほうれん草、ニンジン、トマト、ブロッコリー等に多く含まれますが食品から十分量を摂取することは難しいともあり、サプリメントや注射等の方法も併用して利用すると良いでしょう。

パントテン酸

パントテン酸はビタミンB群の一員で、エネルギー産生と栄養素代謝に重要な役割を果たします。

パントテン酸は主に、脂肪や糖質、タンパク質の代謝をサポートし、エネルギー効率を向上させることが期待されます。
また、ストレス軽減などの作用もあります。

食事では、魚、肉類、キノコ、野菜などの多くの食品に含まれています。

代謝をサポートする成分がダイエット注射には含まれていますが、それだけに頼るのではなくバランスよく食事と運動を心がけることが大切になります。希望する方は、一度、先生に相談することをお勧めします。

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この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。

【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任

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