女性は妊娠により身体の変化が急激に訪れます。
産後の直後はケアをしっかり行う女性は最近増えてきていますが、まだまだ日本人の認知として広くないように思います。
産後の「腰痛」をはじめとしたマイナートラブルについて知る必要があります。
産後腰痛もマイナートラブル
マイナートラブルという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
マイナートラブルとは妊娠、産後に伴っておこる様々な身体所見のことです。
妊娠中や出産直後の姿勢の変化やマイナートラブルに関する報告は散見されますが、産後2ヶ月以上の経ったものの研究は少ないです。しかし、産後で2ヶ月以上たって身体の変化を感じる方は、腰痛や頸部痛という痛みが多いです。
ぜひ腰痛などの症状が出る前に専門の施設を訪れることをおすすめします。
産後に生じる変化
産後に生じる変化は様々で、下記のようなマイナートラブルが生じます。
妊娠中の姿勢の変化から頭痛や苛立ちと様々な症状が発生します。
産後に生じる症状一覧
・妊娠中の姿勢の変化
・体力低下
・育児動作による身体負荷
・肩こり
・苛立ち
・倦怠感
・頭痛
・尿漏れ
・その他
・腰痛
産後腰痛はどのぐらい多いの?
妊娠中、産後に抱える痛みは様々あります。下記に妊娠中、産後で痛みが出る部位を示しました。この中でも腰痛は妊娠中、産後でどちらも70%以上の女性が経験しています。
妊娠中、産後に抱える痛み部位
・腰部
・鼠径部
・股関節
・背部
・肩
・首
・殿部
・膝
・恥骨
・足首
・手
・指
産後腰痛の姿勢は?
産後の姿勢によって身体に加わるストレスは大きく減少します。
産後の方の姿勢は、膝蓋骨後面・大転子・肩峰・耳垂より前方に変化していき、姿勢の均等を保つため頸部や腰背部の筋緊張を高めていると考えられます。このような姿勢を長期間続けていることにより、肩こりや腰痛などを起こしやすくなることが予想されます。
産後の腰痛でみられる専門的な所見
腹横筋・骨盤底筋群の機能低下
骨盤輪の安定性低下
姿勢不良(sway back, lordsis-kyphosis)
専門施設で産後の腰痛にどんなことを行うの?
当院でのリハビリ施設では以下のようなエクササイズを基本とし、個人個人に合わせた運動メニューを作成します。
①下肢のストレッチ
②体幹安定化エクササイズ(腹横筋・骨盤底筋エクササイズ)
③姿勢指導
④育児動作指導
本記事の冒頭にも書いたように、産後の腰痛ケアはとても重要です。
まずは一度、体のケアの専門家であるセラピストにみてもらう必要があります。
生活習慣と同じ続けることで結果が出てきます。
産後腰痛を予防することがこれからの女性の人生には必要不可欠であると考えています。
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この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任