約十年前から目の周り鈍痛が続いており、ペインクリニックでは神経障害性疼痛と診断されてます。どんな治療がありますか?

神経障害性疼痛に対する治療としては、神経ブロック注射薬物療法が挙げられます。
薬物療法は、痛みが初期の場合の第一選択肢となります。
ブロック注射は、通常痛みの強い部分の近くに注射をしますが、目の周りの痛みとのことですので、慎重に判断する必要があります。ブロック注射は、傷ついた神経の周辺に麻酔薬を注射することによって、痛みを感じにくくさせます。
すべての神経に注射できるわけではありませんが、神経に直接麻酔するため、一時的に痛みを取り除くことが期待できます。
しかし、持続時間は一人一人の症状など個人差があります。
何回か継続して行うことで、徐々に効果の持続する時間が長くなったり、痛みが消失することもあります。


その他、理学療法・作業療法として、痛みにより活動が制限されている場合、ストレッチなどを行うことで、痛みを軽くすることができる場合があり、顔を動かす運動を指導することもあります。

神経障害性疼痛とは


神経障害性疼痛に悩まされている方は、実は多く、ある調査では、神経障害性疼痛を持っている方は10人1人いるという報告もあります。特に60歳以上の女性に多いようです。
神経障害性疼痛の症状として、何もしていなくてもある部位に激痛がある・突然締め付けられるような痛みや、うずくような感覚がある・痛みを感じる部位を動かしにくいという表現をする方が多いです。
痛みが強いと日常生活にも支障をきたし、そこからイライラやいつまで続くのか・痛みが突然やってくるのではないかという不安や恐怖心から、うつや不眠に繋がる場合もあります。

三叉神経痛の可能性も


他にも、目の周りの痛みとしては、三叉神経痛の可能性も考えられます。
三叉神経とは、第Ⅰ枝(眼神経)、第Ⅱ枝(上顎神経)、第Ⅲ枝(下顎神経)と三つの枝に分かれています。
三叉神経痛になると、顔面や口の周りなどに強い痛みがあります。
歯茎などが痛むことも多く、食べ物を食べているときや口を動かした時に痛みが生じるので、声を出すのもつらい場合があります。
この場合においても、薬物療法やブロック注射は有効です。

神経障害性疼痛は、長く痛みが続いたり、治っても再発したりすることも多く、身近な病気です。
原因が分からない場合もあります。根気強く治療をしましょう。

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