慢性的な腰痛の場合、適切な痛みに対する評価・姿勢、動作の改善が必要になってきます。
腰痛に対しての現状
厚生労働省が提示しているグラフでは、腰痛の8〜9割が非特異的腰痛(原因がわからないもの)とされています。
それは、医師の診察及び画像の検査(X線やM R Iなど)で原因が特定されにくいということが多いからです。
つまり、腰痛自体は画像だけでは判断が難しいということになります。
そして多くの整形外科で対処療法として薬、物理療法(温熱療法や電気療法)、筋肉をほぐすだけといった内容になることが多々あります。
一見正しい治療を行なっていると思いますが痛みに対しての対処的な治療になっており、どこの組織になぜ痛みを伴っているかといった評価は行なっていないのが現状です。
では、画像判断の難しいとされる腰痛をどのように評価していく必要があるのでしょうか。
当院での腰痛に対する評価
厚生労働省が提示する腰痛の定義として、「腰痛」とは疾患(病気)の名前ではなく、腰部を主とした痛みや針などの不快感といった症状の総称であり、一般的に坐骨神経痛を代表とする下肢の症状を伴う場合も含むと記載されております。
ここでポイントとなってくるのが腰部の痛みだけなのか、それとも坐骨神経痛等の下肢症状も伴っているかの問診が必要になってきます。
腰部と下肢の両方に痛みや痺れを出す組織はないため別々に判断することが大事になってきます。
そこで下肢の症状を主体とするならば、画像と照合しつつ神経に触れていないかといった判断を行う必要があります(例:腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア等)。
腰部主体の痛みでは大きく4つのタイプに分けて評価を行なっていきます。
その4つのタイプとは椎間関節性腰痛、仙腸関節性腰痛、椎間板性腰痛、筋・筋膜性腰痛です。
どの分類になるかを問診、整形外科テスト、動作・姿勢の評価等を行っております。
姿勢・動作の重要性
筋肉はそれぞれ一定の長さが必要であり、長さが短かったり長かったりすると発揮できる力が減少します(長さ張力曲線)。
その為、姿勢によって筋肉の長さが長く・短くなるとそこを代償した運動や姿勢を生み出します。
それにより様々な組織に負担がかかり痛みが誘発されます。
だからこそ、動作・姿勢の改善を行い身体に過度な負担のかからない状態を作ることが大切になってきます。
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この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任