血圧と肥満のある男性です。生活習慣病診療の例を教えてください。

長年当院にかかってくださっているTさん(男性)の例を紹介します。

Tさんの状況

いつも仕事の合間に来院し、生活習慣病の高血圧や高脂血症のお薬の処方と自費のダイエット注射を受けています。

とある日から来院されなくなり、「いつもTさん来るのにどうしたのかな??」と思っていたところ、久し振りに来院。「しばらく入院していました。」とのことでした。

来院した日は仕事がお休みで時間があるということで、高血圧や高脂血症、尿酸値も高いのもあり生活習慣病相談を受けてもらうことにしました。

検査結果と食生活

身長173.0センチ、体重73.5キロ、BMI24.6でBMI的には標準値。
体脂肪も23.3%とさほど高くはありませんでした。
しばらく入院していたので病院食で体重は落ちたとのこと。
ただ管理されている病院食でも尿酸値は何故か減らず、11.2と確かに高値でした。

食生活を伺うと

  • 朝は仕事が早いのでほとんど食べない
  • 昼は職場の仲間と食事を共にするときは中華などの定食屋
  • 一人の時はコンビニでおにぎりやカップラーメン
  • 夜はお酒とおつまみ休肝日なし
  • 水分摂取は水かお茶


全体的にみて野菜があまり摂取できていない様子でした。
仕事はガテン系で体力仕事。活動量は多いようです。
今は肥満体型ではありませんが、炭水化物・脂肪過多の食事、塩分過多、毎日の飲酒を続けていると今後肥満になる可能性が出てきます。

食物繊維の働きは多様です。体内のナトリウムを吸着し排出するので高血圧の改善に役立ちます。
またコレステロールを吸着し体外に排出し血中のコレステロール値を低下させる働きもあります。更にプリン体の吸収を抑制して便からの排泄を増やすため高尿酸値にも効果的です。

毎日の飲酒は肝臓に負担がかかります。お酒特にビールにはプリン体が多く含まれており尿酸値を上げる原因になります。アルコール自体尿酸が肝臓で作られるのを促進し、腎臓からの尿酸排出を抑制する働きがあります。アルコールには利尿作用もあるので体内の水分が減少するため尿酸値が上がりやすくなります。

Tさんの改善策


生活の背景から目標として

  • 食物繊維を意識して摂ってもらうこと
  • 休肝日を2日設けてもらうこと

まずこの2つをお願いしました。

生活習慣病は少しずつでもできる範囲見直していけば必ず身体に結果として出てきます。
お仕事が忙しいようでなかなか継続しての相談は難しいようですが、来院された際は少しでもサポートしています。

ビッグツリー練馬クリニックでは、1人では改善・予防しにくい生活習慣病を医師と管理栄養士がサポートします。

こちらのページもご覧ください

高尿酸血症ってどんな病気?

生活習慣病を予防するためには、どんな食生活が必要ですか?

この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。

【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任

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