運動をしていなくても普段から痛みが出るということで、慢性的な痛みにお困りかと思います。
痛みがある際は運動を控えた方がいいのか?といったご質問は患者様からよくいただきます。「痛いときに運動なんてしたら、悪化してしまうのではないか?」と不安な気持ちもあるでしょう。
これまでは腰痛の時は安静にするようにと言われてきましたが、近年腰痛は運動を継続的に行うことが腰痛改善につながるということが分かってきました。日本だけではなく、各国の腰痛診療ガイドラインでも、ウォーキングや水泳などの身体活動は慢性腰痛の改善に有効であるというのが共通認識になっています。
腰痛があっても適度な運動をする方が良い
痛みがあるのに運動をするというのはなかなか受け入れがたい方も多いかもしれないですが、安静にしすぎてしまうと血液の循環が悪くなってしまいます。
血液循環の悪化により、筋肉を使った時に生じる「疲労物質」が停滞していきます。そして、徐々に蓄積された疲労物質により、炎症を起こしたり筋肉が緊張状態になることで痛みが生じてしまいます。
さらに、皆さんご存じの通り血液の循環が悪いことで身体の末端の冷えも引き起こします。「冷えは万病のもと」といいますが、冷え性が続くと、頭痛や風邪など様々な不調を引き起こしてしまいます。
加えて、安静にしていると痛みに意識がいってしまうので、一層痛みに対して過敏になります。そして、筋肉が緊張状態となり、より血液循環が悪化して痛みが強く感じられるようになると悪循環に陥ってしまう可能性もあります。
また、ぎっくり腰といった急性腰痛の場合、なった直後は激しい痛みを伴うことが多くありますので、無理に動く必要はありません。そういった場合、ご自身の症状に合わせて、2〜3日は安静にしていると良いでしょう。それ以降は、痛みを悪化させない程度に活動量をなるべく日常生活に戻していくようにしましょう。もちろん、お一人お一人によって症状は異なりますので、医療機関を受診して、運動を開始する適切なタイミングを聞いていただくとよいでしょう。
・運動することで血流改善をし、痛みの原因物質を洗い流していきましょう
・痛みに応じた運動量で少しずつ無理のない範囲で行いましょう
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この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任