腰痛の再発の対策として、自身の腰痛のタイプを知り、そのタイプにあったストレッチ・運動(リハビリテーション)を行なっていく必要があります。
腰痛の原因を適切に評価し、評価によってタイプ別に分類し、各分類の対策を行なうことで腰痛の再発を予防できます。
また65歳以上の高齢者は加齢によって元々何かしらの器質的な変化がある可能性があり、たまたまレントゲンやM R Iを通してその変化が映っただけの可能性があります。
果たしてその変化が原因で腰痛を出していると言えるのでしょうか。
今回は再発を防ぐため、『腰痛とは何か?』『腰痛の現状』『腰痛のタイプ別に対する対策』をお伝えしていきます。
腰痛とは何か?
「腰痛」とは腰部を主体とした痛みやはりなどの不快感といった症状の総称です。
腰痛の現状
腰痛の約8割程度は非特異的腰痛です。つまり8割は原因が分かっていないということになります。
しかし、その非特異的腰痛は大きく4つのタイプに分けられることがわかってきました(下肢症状は含まず)。
それが椎間関節性、仙腸関節性、椎間板性、筋・筋膜性の腰痛です。
今回はスクーニングから自分のタイプを知り、タイプ別による対策をお伝えしていこうと思います。
腰痛のタイプ別に対する対策
スクリーニング
痛みのある部位をほぐすと疼痛が解消される場合⇨筋・筋膜性
立った状態で前屈すると疼痛が誘発される場合⇨椎間板性
立った状態で腰を反らして疼痛が誘発される場合⇨椎間関節性
仙骨と腸骨の間の部分を押して疼痛が誘発される場合⇨仙腸関節性
次にそれぞれの対策です。簡単に自宅でできるものを1つずつ紹介します。
筋・筋膜性⇨筋・筋膜へのストレッチ
- 仰向けの状態で両脚を抱え、できるだけ胸に引きつけます。
- 腰背部の筋の硬さが強い方は、片脚ずつできるだけ胸に近づけるように引きつけます
- 1、2共に15〜20秒程度のストレッチを行います
椎間板性⇨背筋群、臀筋群への筋力強化
- 仰向けに寝ていただき、膝を90°くらいまで曲げます。
- 床から腰を持ち上げ、肩・腰・膝が一直線になるようにします。
- 持ち上げた状態をキープし30秒3セット程度行います。
椎間関節性⇨腹筋群への筋力強化
- 仰向けに寝ていただき、膝を90°くらいまで曲げます。
- 息を吸いながらお腹を膨らませます。
- その後、息を吐きながらお腹を凹ませます。
- 2、3共に5秒程度を意識しながらお腹の上下運動を行っていきます。
仙腸関節性⇨腹横筋、多裂筋、大臀筋、内腹斜筋への筋力強化(今回は内腹斜筋のみ)
- 椅子に座っていただき、両手を頭の後ろに組みます。
- 右肘・左膝、左肘・右膝の組み合わせでくっつけるようにして身体を捻ります。
- 1回5秒を目安に、各20回ずつ行います。
いかがでしたか?
今回はご自宅でできる腰痛対策をご紹介しました。
痛みが続く、改善しないようでしたら、専門医にかかることをお勧めします。
この記事は、BIG TREE. 練馬クリニックの院長、田部田 英之が
監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任